ナナオから新型モニターが登場した。その名は「FlexScan EV2334W-DL」。……あれ!? 前に見たような型番かも?
そうなんである。このFlexScan EV2334W-DL、怒濤のハイコストパフォーマンスモニターとして人気を集めるFlexScan EV2334W-Tに、魅力的かつ実用的なオプションを標準装備したスペシャルなパッケージなのである。
FlexScan EV2334W-DLのモニター部分のスペックは、上記の怒濤モニターEV2334W-Tと同じ。これにカラーマッチングツールである「EIZO EasyPIX」が付属。さらに、スタンドとしてウワサの「FlexStand」が採用されている。そのほかHDMIケーブルも同梱。本体カラーはブラックのみとなる。
で、ですね、注目したいのがその価格。なんと5万7,800円なのだ。ヘンな言い方だが“オイシイとこ取りの人気3点セット”がこの価格ってのは、言葉的にカブるが「オイシイ」と言えよう。
イキナリ価格面をセコく計算したりすると……このFlexScan EV2334W-DLと同等の表示性能を持つFlexScan EV2334W-Tが4万9,800円。EIZO EasyPIXが1万9,800円。足し算すると6万9,600円なので、1万1,800円オトクなのだ!! さらに、「FlexStand」が実使用感として、かな~りちが~う!! FlexStandの詳細については後述するが、コレ、同社のColorEdge CG223WやFlexScan EV2333W-Hなどに採用されていた超便利スタンドで、その利便性から「どうしてもFlexStandを使いたいからFlexScan EV2334W-Tを諦めた」という人が少なくなかったほど。
そんなイカシたスタンドが付き、発色/表現力を求めると結局必要になるカラーマッチングツールが付き、さらにHDMIケーブルまで付属するハイコストパフォーマンスモニター(同等品)のパックが5万7,800円ってのは、やはり非常にお買い得!! あと、購入者全員にEIZOオリジナル遮光フード(紙製)がプレゼントされたりも。
……ただし、このパッケージ、EIZOダイレクト限定500台限り。お得感も実用性もタップリなので、人気集中は必至の予感。この記事の続き読む前にとりあえずポチッとしちゃうのもアリかも!!
ともあれ、以降、FlexScan EV2334W-DLの機能/性能/使用感などについて見ていきたい。
購入者全員にプレゼントされる遮光フードを装着した様子 |
遮光フード上部には、ちゃんとセンサーを通す穴が用意されている |
FlexScan EV2334W-DLは、23.0型フルHD解像度(1920×1080ドット)のVA方式カラー液晶パネルを採用した汎用PCモニター。入力端子としてDVI-D×1、D-Sub×1、HDMI×1を搭載する。ので、パソコンのほか、レコーダーやゲーム機などのAV機器を接続しても使える。それと、HDMIケーブルが1本同梱されるので、ま、今時のPCやAV機器なら、このモニターを買えば即、映像を表示できるってわけですな。
FlexScan EV2334W-DLは、23.0型のフルHD解像度表示モニターとしては低価格帯の製品となる。が、他の低価格製品と違うのはその画質。結論から言えば、静止画も動画もかな~り美しく表示させることができるのだ。
その要因のひとつは、VA方式の液晶パネルを採用していること。激安モニターにはTN方式のパネルが採用されることが少なくなく、TN方式だと視野角が狭い=見る角度によって色や明るさがずいぶん違ってしまう。FlexScan EV2334W-DLに採用されているVA方式では、視野角が水平/垂直ともに178度あるので、だいたいどの方向からでも良好な色と明るさで映像を見ることができるのだ。
表示の美しさは、ナナオ独自のさまざまな技術/表示モードによってさらに高められている。たとえば動画表示では「Power Resolution」技術や「Power Gamma」設定がビシッと働く。
Power Resolutionは画像の解像感を強調する技術。ホレ、高解像度のモニターでゲーム機などの(比較的に低解像度の)映像を表示すると、ちょっとボヤケ気味でネムい感じになるじゃないスか。アレを改善し、クッキリと表示してくれるのだ。
それからPower Gamma設定。これはゲームやアニメ映像に特化したガンマ値を自動的に設定し、よりクリア&見やすい絵にしてくれて、メリハリのある鮮やかな表示でゲームやアニメ映像を楽しめるようになる。
このほか、内蔵のオーバードライブ回路により、常にスムーズな動きと立体感のある動画を表示することができる。オーバードライブ回路は、動画表示(の美しさ)に直結する中間階調の応答速度を高速化するもの。映像に対して液晶パネルが高速で追従するので、まず残像が激減し、さらに白飛びや黒潰れも抑えられる。いつも明瞭で違和感のない動画を再生してくれるというわけだ。
FlexScan EV2334W-DLは、もちろん静止画表示にもよく向くモニターだ。デフォルトで使っても十分快適に使える表示性能を持つが、これに加え、表示対象に合わせて最適な映像表示になるFineContrast機能を搭載しており、コレがお手軽カンタンであり効果もバッチリある。
FineContrast機能では、表示対象に合わせた最適なセッティング(色合い/明るさ/コントラストなど)が選べ、表示対象(表示モード)はsRGB、Text、Picture、Game、Cinema、Customの6種類となる。
たとえば、sRGBモードならデジカメ写真(色空間がsRGBの画像)を正しい発色で表示できる。Textモードなら各種ドキュメントやWebページを目に優しい明るさ/コントラストで表示。Pictureはグラフィック全般に向く色鮮やかな表示となる。
動画用の表示モードもある。Cinemaモードは映画など動画向け表示モードで、前述のオーバードライブ回路の効果と相まってスムーズで自然な動画を楽しめる。Gameモードにすると、前述のPower ResolutionとPower Gammaが両方オンの状態で映像が表示される…解像感が強調されつつゲームやアニメに適したガンマ値設定になるので、色彩/クッキリ感ともに良好な表示でゲームなどを堪能できるというわけだ。
こんな感じで、コンテンツに適した表示をサクッとお手軽に得られるFlexScan EV2334W-DLだが、付属のEIZO EasyPIXを使うと、このモニターの静止画表示における底力を徹底的に引き出すことができる。
EIZO EasyPIXはFlexScanシリーズ用の表示調整ツールだ。専用ハードウェアとソフトウェアにより、経年劣化なども含めた液晶パネルの表示を最適な状態にチューンしてくれたり、環境光による“液晶画面上の色の見え方”を補正してくれたりする。
使い方は超簡単。EIZO EasyPIX付属ソフトをインストールして付属センサーをPCとUSB接続すれば、以降はウィザードどおりに操作すればOK。実際、調整中にユーザーが行うことは白色の指定程度だ。短時間&ほぼ自動的に、FlexScan EV2334W-DLが最適な表示をするように調整される。
で、EIZO EasyPIXを使って調整した結果どうなるかと言えば……コレがですね!! ヘタな高価格帯モニターなんかより美しい表示になりまくり!! もともと十分良好な色でデジカメ写真なんかを表示できていたFlexScan EV2334W-DLだが、EIZO EasyPIXで調整することにより、より厳密な発色~階調表現が行われるようになった。ぶっちゃけ、もうこの状態になると、静止画の再現性において同価格帯のモニターの追従なんざぁ許さないゼ!! みたいな。
画面のウィザードに従って操作すれば、自動的に調整してくれる「EIZO EasyPIX」 |
FlexScan EV2334W-DLにはスタンドとしてFlexStandが採用されている。で、このスタンドがまたイイ!! 便利!! これ単体で欲しい!! とか思っちゃうほどである。
……え? モニターなのにスタンドの話!? と思われるかもしれないが、このFlexStandによりモニターの快適さが格段に上がったりするのだ。
FlexStandは、モニターの向き、高さ、傾き、縦横方向を、ほぼ自由に変えることができるスタンドだ。具体的には下の動画のとおりだが、高さは225mmの範囲で昇降、向きは左右各172度の範囲でスウィーベル、モニター面は30度の範囲でチルト可能で、さらにモニターを縦位置でも横位置でも使える(ピボット可能)。
【動画】左右のスウィーベルは172度の範囲で、非常にスムーズに回転する |
【動画】上下の昇降は225mmの範囲で、一番下は机の面ギリギリまで下げられる |
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【動画】30度の範囲でチルトができる。少々かためなので、ボタン操作時などでも角度が変わらない |
【動画】昇降の動きを後ろから見た様子 |
FlexStand、見栄え的には非常にシンプルなんですよ。ゴテゴテ感ナシ。しかし上記のように自由自在に動かせる。また自由な向き/位置/角度にできるにも関わらず、FlexScan EV2334W-DLのモニター部自体の薄さ&軽さもあり、回転や高さ調整をわずかな力で行える。加えて、外見的には若干華奢に見えるものの、意外なほど安定性が高かったりもする。
で、こういうコトができるとナニがイイのかと言えば……まずはユーザーが最も見やすい位置にモニター面をセットできるのだ。FlexStandは前述のように225mmの範囲で昇降可能なので、たとえばやや見上げるような高さにも、目と同じ高さにも、あるいは机面ギリギリの低さにもセットできる。同時に30度の範囲でモニター面の角度を変えられる(チルトできる)ので、モニターをどの高さにしても、その面をユーザーに真っ直ぐ向けることができる。
こーゆーコトが楽勝に可能なので、椅子や机の高さに関わらず、ユーザーが最も快適と感じられる位置にモニター面をセットできるのだ。結果、目や体が疲れにくくなるというメリットがある。
スッと回転できるできるので、モニター画面を誰かに見せたいときにもラクラク |
縦位置表示が使えるのもFlexStandならでは |
FlexStandの“回転技”も実用的。たとえば左右各172度の範囲でスウィーベルできるが、これは右や左に誰かが居てモニター表示を共有するときに便利。隣の人が見やすいように、モニター面をそちらにスッと向けられるんですな。
縦に長いWebサイトや文書を閲覧する場合は、モニターの回転(ピボット表示)が快適。23.0型フルHD解像度(1920×1080ドット)のFlexScan EV2334W-DLの画面一杯に1枚のドキュメントを表示したりすると、十二分な解像度があり、かつ、文字なども非常に読みやすいサイズにでき、かつ、スクロール回数も減らせて、作業が非常にラクになる。縦位置のデュアルモニター構成ってのも、FlexStandの自由度の高さおよびFlexScan EV2334W-DLの価格の安さから、かなり現実的なんじゃないかと思う。
てな感じのFlexScan EV2334W-DL。23.0型フルHD解像度のモニターとしてコストパフォーマンスに優れ、動画にも静止画にも高い表示性能を発揮し、カラーマッチングツールまで付属する。しかもチョー扱いやすいスタンドを装備。全体的な使用感や性能、扱いやすさまで含め、やはり5万7,800円はそーとーオイシイのではないだろうか。
とにもかくにもこのセット、EIZOダイレクト限定500台限りなので、気になる人は即チェックしよう!
※本製品は、ご好評につき完売となりました。
■FlexScan EV2334W-DL
http://direct.eizo.co.jp/shop/e/e1003evdl/
■FlexScan EV2334W-T
http://direct.eizo.co.jp/shop/c/cEV2334W/
■EIZOダイレクト
http://direct.eizo.co.jp/
■株式会社ナナオ
http://www.eizo.co.jp/
【レビュー】スタパ驚き!! これがホントにヨンキュッパ!?
「Power!」がある、イマドキ的ナナオモニター FlexScan EV2334W-T
http://www.watch.impress.co.jp/eizodirect/ev2334wt_2/
【レビュー】FlexScan EV2334W-T ~動画にPower! PowerResolution技術でクリアな映像表現を実現
http://www.watch.impress.co.jp/eizodirect/ev2334wt/
■ナナオ、解像感強調機能を搭載した23型フルHD液晶
~ゲームやアニメ向けガンマ設定も
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20091104_326291.html
■ナナオ、解像感強調技術を搭載した23型フルHD液晶-直販49,800円。人感センサーなど節電機能も装備
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20091104_326329.html