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2012年2月9日

超小型ながら本格的な音のデジタルアンプ
「DN-AMPシリーズ」で音楽を楽しんだ

 

上海問屋の取り扱う多数の製品の中から、注目の一品を紹介するこのコーナー。今回は、超低価格ながら本格的な音を聞かせるオーディオアンプ「DN-AMPシリーズ」を紹介しよう。超小型かつ非常にシンプルな作りながら、大型スピーカーと合わせても引けを取らないサウンドを出力する魅力的な製品だ。

デジタルアンプLSIの搭載で 超小型ながら本格的なサウンド

外観はオーディオ機器らしくかっちりとしたイメージ。フロントパネルの色は今回試用したゴールドの他に、シルバーも用意されている

今回紹介する製品は、低価格ながら本格的な音質を楽しめるオーディオアンプだ。上海問屋のオーディオ機器は本格的な製品からユニークな製品まで多種多様なラインナップが用意されているが、今回は非常に本格的な製品だ。

ただし、機能としては非常にシンプルで、入力は1系統、出力もスピーカー端子のみと、本当に最低限なものになっている。一般的なオーディオアンプには搭載されている複数入力の切り換え機能や、音質調整機能などは搭載しない。

フロントパネルは電源スイッチと音量ツマミだけと、非常にシンプル。パネルはアルミ製で、ヘアライン加工(横方向に細い凹凸が掘られた加工)の精度も高いので、高級感がある リアパネル(背面)の端子はDC入力、ライン入力×1、スピーカー出力のみ。スピーカー端子は+端子とー端子の2つで1台を接続するため、4つの端子でステレオ(左右)の2台が接続できる

機能的な特徴としては、アメリカのTriPath(トライパス)が開発したデジタルアンプ用LSI「TA2024」を搭載している点が挙げられる。

デジタルアンプLSIは、文字通り入力された音声信号をデジタル回路で増幅できるLSIだ。一般的なアンプではアナログ回路が使われているが、デジタルアンプはアナログに比べて消費電力や発熱を大きく減らせる。さらに本体の大きさも小さくできるというメリットがある。

一方、デジタルアンプは回路の設計が巧みでないと、音質の面ではアナログアンプに一歩譲る場合が多いが、Tripath社のLSIは、音質の面でも本格的なアナログアンプと並ぶとオーディオマニアに知られるほどの完成度なのが売りだ。

現在Tripathは大手LSIメーカーであるCirrus Logic(シーラス・ロジック)に吸収された形となっているが、TA2024は設計が優秀で、流通在庫も豊富なため、現在でも搭載した製品が登場し続けている。この「DN-AMPシリーズ」も、そうした製品のひとつというわけだ。

本体は、機能がシンプルな分非常にコンパクトなのが特徴だ。使用には電源部となるACアダプタが必要になるが、本体の大きさは幅86mm×高さ40mm×奥行き128mmと小さく、本体重量も420gと、オーディオアンプとしてはかなり軽い。

また、ACアダプタは本体に並べると大柄に見えるが、実は幅50mm×高さ33mm×奥行き10.8mmとそこまで大きくはない。

本体にiPod Touchを載せた状態。本機の底面積は2回り大きい程度なので、オーディオアンプとしてはかなり小さい 電源はACアダプタによる供給となる。かなり大きめに見えるが、実際は大半のノートパソコン用より小さい程度だ

驚くほどの素性の良さ
本格オーディオ入門機として抜群

実際に使ってみると、外観や大きさを超えた音質の良さに驚かされる。今回はボーズの101MMなど小型スピーカーでの試聴を中心にしたが、非常に素直かつクリアで、オーディオ的な素性の良さを感じさせるものだ。電源スイッチや音量ツマミの感触なども良好で、触っているとしっかりした高級感がある。

電源スイッチはトグル式で、感触もかなり良好。ただしフロントパネルの文字印刷は価格なりといった印象もある 電源をオンにすると、音量ツマミの周囲にLEDが光る。ツマミを廻す感触も価格からは考えられないほどの高級感があり、好ましい

そしてなんといっても、「聞き慣れたはずの音楽が楽しく聞こえてくる」という、本格的なオーディオの楽しさを十二分に備えている音なのだ。

また、本体が小型なことから最初は不安があった、出力の大きさに関しても十分なもの。仕様上の出力はひずみ率0.1%で15W+15W(4Ωスピーカー接続時)、ひずみ率0.05%では9W+9W(同)と決して大きくはないが、実際に聞いてみると、十分すぎるほどの音量を得られる。ダイナミックレンジは102dBと優れたものだが、それだけの性能は十分に感じられた。

また、筆者は本機と同じLSIを使ったアンプで、大型スピーカーと組み合わせたシステムを視聴したことがあるが、その際も音量不足などはまったく感じなかった。

ただし、それゆえにいろいろと機能が欲しくなってくるのも確か。筆者は小さな音量で聞くことが多いので、ラウドネス(小音量時に聞こえにくくなる低音や高音を増強する機能)があれば便利に感じられた。

また人によっては、入力端子がもう1系統欲しい、という人もいるだろう。

しかしそれを補って余りあるのが、本機の音質とそして価格だ。本機の価格はなんと3,999円(税込・送料別)。これは上海問屋製品のオーディオアンプの中でも最安クラスとなるだけでなく、TA2024を搭載した他社の同等製品と比べても、1,000〜2,000円程度安いのだ。

送料を入れても5,000円以下で本格的なオーディオアンプが購入できてしまう本機は、本格的なオーディオの楽しさを安価に楽しめる、入門にもってこいの製品だ。使っていないスピーカーがあるようなユーザーは、ぜひとも購入を検討してほしい。それほどオススメできる製品だ。

スピーカー端子は「バナナプラグ」と呼ばれる形状の端子にも対応するタイプ。またネジは完全に外れるので、太いケーブルでも接続しやすい。こんなところも本格的な仕様だ 付属マニュアルは英文で非常にシンプル。ただし本機の場合は機能自体がシンプルなので、オーディオになれていればマニュアル自体必要がないというレベルだ

TA2024チップ搭載 小型サイズ RCA接続デジタルアンプ
DN-AMPシリーズ 製品情報

http://www.donya.jp/item/20627.html

 
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