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ANA X、“個人手配”の旅を一元サポート ホテルからアクティビティまで

TaaSプラットフォーム構想を発表するANA X 旅行事業推進部 部長の森田將裕氏

ANA Xは、旅の予約から管理までスマートフォンひとつでシームレスに完結するTaaSプラットフォーム構想を発表、2024年度から稼働を本格化させる。

ANA Xが構築した「TaaS(Travel as a Service、タース)プラットフォーム」は、旅に関するさまざまな予約や管理、検索やレコメンドといった一連の機能を集約し、スマートフォンひとつで完結するサービスの基盤。すべての予約でマイルが貯まり、使えるようにするANAならではの特徴も備える。

すでに提供しているアプリやWebサイトに「ホテル」「レンタカー」などの項目が追加され、新たに構築された「TaaSプラットフォーム」上で提供される。このためユーザーからは、TaaSプラットフォームが独立したサービスとして見えるのではなく、個々のサービスとその連携という形で提供される。航空券の購入が条件ではなく、広く国内の宿泊や旅行が対象になっている。

拡大する個人旅行、予約・管理の煩雑さを解消

ANA Xによれば、ダイナミックプライスの導入により、昨今は個人で航空券を手配して旅行する人が増えているといい、個人旅行に対応した商品をユーザーにダイレクトに販売できるプラットフォームとしてTaaSプラットフォームが構築された。

これまでのANAの旅行商品
パッケージツアーとは異なり、個人旅行の手配は煩雑になっている
ANA XのTaaSプラットフォームで個人旅行を一元的に予約・管理が可能

ホテルや旅行先で利用するレンタカー、アクティビティ、クーポンの受取りなどもTaaSプラットフォームに組み込むことで、ユーザーはANAの会員登録だけで一元管理できるようになる。個人旅行のオリジナルの旅程表を作ることができ、航空券や宿泊の通知も一元的に受け取れる。

TaaSプラットフォームが構築されたことで、航空券を購入した際はホテル予約がリコメンドされるなどし、今後は旅程全般を対象としてANAがサポートする体制にする。

予約を集約したことによるユーザーの利用イメージ

これまで、ANAのWebサイトで国内航空券(日帰りの日程ではないもの)を予約した人のうち、ANAで宿泊の予約をした人は約2%しかおらず、これを3倍にするのが目標としている。

「旅はどんどん個人手配に変わっていくと想定している。個人手配の煩わしさや不安を無くしていくのをTaaSプラットフォームの価値として提供していく。すべての予約をシームレスにできる世界を作っていく。TaaSプラットフォーム構想でANA経済圏の幅を広げいてく」(ANA X 旅行事業推進部 部長の森田將裕氏)と、個人旅行のサポートをANA Xの新しい事業の柱にしていく方針が語られている。

ANA経済圏に国内の個人旅行も組み込んでいく
TaaSプラットフォーム構想のロードマップ。2024年度末に国内のアクティビティやゴルフへの対応を進める
個人旅行のサポートを強化、ANA経済圏に組み込んでいく

国内宿泊予約を大幅拡充

ANA Xでは、3月26日に国内宿泊予約サービスの大幅リニューアルを行なっているが、これは「TaaSプラットフォーム」上で提供されるサービスの第1弾。今後、レンタカーやアクティビティなども追加し、連携できる対象を拡大していく。

国内宿泊予約サービスのリニューアル

国内宿泊予約サービスの大幅リニューアルでは、これまではANAの就航地が基準で、ビジネスホテルを中心とした約3,000施設だったところを、未就航地やレジャーにも対応する、旅館などを含む12,000施設にまで拡大。航空券の購入の有無に関係なく、国内旅行全般をカバーできる内容にしている。このリニューアルでは、アゴダ、リクルート(じゃらん)とAPI連携を行なっており、両サービスの品揃えを導入して内容を大幅に拡充している。

3,000施設から12,000施設にまで拡大。ANAの未就航地も含まれる
ANAのWebサイト国内ホテル予約
ANA未就航地の三重県のホテルも予約が可能

導線は各アプリに用意。例えば「ANAアプリ」の「ツアー・ホテル」タブ、「AMCアプリ」の「ホテル予約」ボタン、「ANA Pocket」アプリの「宿泊」ボタンなど。

各アプリに宿泊予約の導線が設けられている
今後もレンタカーやアクティビティなどが追加されていく