ARROWS × ケータイ Watch

ARROWS×ケータイWatch

スマホ用Webサイトもガッツリ利用できる!

ガラケーだけどLINEもオッケー♪ 「ARROWS ケータイ F-05G」

「ARROWS ケータイ F-05G」

スマートフォン全盛の今でも、まだまだ根強い人気を誇っていると言われる従来型の携帯電話。通勤電車の中でふと見渡してみると、スマートフォンの画面を一生懸命フリックしている人たちに混じって、フィーチャーフォンやガラケーと呼ばれる従来型のケータイを使っている人もわりと頻繁に見かけ、なるほど、とその人気のほどを改めて実感する。

維持費が安価であったり、キー入力のしやすさ、手で持った時のフィット感、電話する時の"耳当たり"の良さなどが、古いフィーチャーフォンを使い続けている大きな理由になっているのだと思う。でも、ハードウェア面は進化しないままで十分に使えるとしても、インターネットの利用が当たり前になっている昨今、ソフトウェア面では徐々に不満に感じることが増えてきていないだろうか。

例えばWebの大部分はPCかスマートフォン・タブレット向けに作られ、連絡手段もメールからLINEをはじめとするインスタントメッセージに主流が完全に移っている。フィーチャーフォンでは、最新の情報を快適に得ることがだんだん難しくなってきているのだ。

そんなフィーチャーフォンの利点と不満点を解消するべく最近になって登場したのが、中身はスマートフォンのようでいて外見と使い勝手はフィーチャーフォンという、ハイブリッドな作りの"古くて新しい"ケータイ。富士通が2015年のドコモ夏モデルの端末として6月19日に発売した「ARROWS ケータイ F-05G」も、その1つだ。

見た目はケータイ、中身はスマホ

このF-05G、外見は従来型のフィーチャーフォンと同様のテンキーを備えた二つ折りのケータイで、中身にはスマートフォンと同じOSであるAndroid 4.4を採用している。使い勝手は完全にフィーチャーフォンを踏襲しつつ、ソフトウェア面では最新技術に対応したプラットフォームとしているわけだ。

2つ折りのコンパクトな筐体

画面はタッチパネルではなく、普通の3.4インチ(480×854ドット)TFT液晶ディスプレイで、画面上のカーソル操作は全てテンキーなどの物理キーで行うことになる。背面には0.8インチの有機ELサブディスプレイも備えていて、時刻や着信などの各種通知を表示。有効810万画素のカメラも搭載されている。

ディスプレイはタッチに対応しない、3.4インチのTFT液晶
背面には時計などを表示する有機EL液晶
背面には810万画素のカメラ

側面で目立つのは「マナー」と書かれたボタンのみで、閉じたときは全体的につるっとした印象。余計な飾り気が一切ない、シンプルなちょっぴり大人を感じさせるたたずまいで、手のひらへの収まり感も抜群だ。通話時の"耳当たり"も良く、スマートフォンでありがちな、通話中に耳に当たる位置を頻繁に変えて良く聞こえるポジションを探る、といった不格好な仕草を見せながら会話することもない。

側面で目立つのはこの「マナー」ボタンのみ
反対側にはカバーに隠された充電・データ転送用のMicro USBポートがあるが、全体はつるんとしている
フィーチャーフォンは顔の形にフィットするのか、"耳当たり"が良い

ヒンジ部にはボタンがあって、ここをプッシュするとケータイが開くようになっているなど、かつてフィーチャーフォンで人気があった便利なギミックをさりげなく用意しているのもうれしいところだ。

ヒンジ部に設けられたボタン
ワンプッシュでご覧のように開く

テンキーは、わずかに縁が浮き上がったフラットなデザイン。スタイリッシュな見栄えにしながらも、しっかり指先でボタンの感触を確かめられるので押し込みやすく、フィーチャーフォンならではの操作感やクリック感を味わえる。また、一番下の段にある1〜3の数字が書かれたキーは「お気に入り機能ボタン」で、よく使う機能の起動に割り当てたり、連絡先のショートカットとして使える。1つのキーに"短押し"と"長押し"で異なる機能を割り当てられるので、計6つのアクションを実行可能だ。

フィーチャーフォンならではの物理キーは、やっぱり使いやすい
最下段の3つのキー「お気に入り機能ボタン」には異なる機能を割り当てることができる
短押し/長押しそれぞれに機能を割り当てられる
割り当て可能な機能も多い

スタンプが使えて通話もできる「LINE」アプリがプリインストール

このように、フィーチャーフォンとほぼ同じデザインと操作性を実現しているF-05Gだが、中身はどうなのか。おそらく一番のポイントとなるのは、「LINE」アプリがプリインストールされているところになると思う。

「LINE」アプリがプリインストール!

フィーチャーフォンユーザーが今最も不満に感じていることの1つは、きっとメッセージアプリのLINEが便利に使えないことではないだろうか。フィーチャーフォンで動作するアプリが用意されておらず、WebベースでLINEを利用する手段はあるものの、始め方も、使い勝手も、決してユーザーフレンドリーとは言いがたかった。

スマートフォンユーザーが増え、周りのみんながLINEを使ってやりとりしているなかで、連絡手段として基本的にメールやSMSしか使えないフィーチャーフォンでは、情報の伝達速度にも差が出てくる。子供が通う保育施設や学校、あるいはマンションのような地域コミュニティでは、連絡用ツールとしてLINEを使うところもあり、お父さん・お母さんらがLINEのアカウントを持っていないと、必要な情報を円滑に受け取れないという話もあるくらいだ。

F-05GでLINEを利用したい時は、メニュー画面の「ツール」から選んでアプリを起動することになるが、実はさきほど紹介した「お気に入り機能ボタン」の「1」に最初から割り当てられているので、ポチッとワンプッシュするだけでもOK。初期設定はスマートフォン版とほぼ同じ手順で、パスコードをSMSで受信して認証すればすぐに使い始められる。

LINEは「ツール」から起動できるが、「お気に入り機能ボタン」からも起動でいる

画面構成もほとんどスマートフォン版と同様。テキストでやりとりするトークはもちろん、無料音声通話やビデオ通話機能も使える。画面操作は物理キーで行うが、画面上のボタンは矢印カーソルを上下左右キーで動かし、決定キーでクリックする形となっているのが、一般的なスマートフォンとは異なる部分だ。

音声通話画面
ビデオ通話中

トーク画面はおなじみの吹き出しが左右交互に表示されるチャットスタイル。テキストはテンキーからサクサク入力でき、ATOKの賢い日本語変換のおかげでストレスもない。そして、LINEといえばスタンプ。もちろんF-05GでもLINEスタンプを使用でき、無料で用意されている20種類ほど(6月現在)のスタンプを追加ダウンロードしてトークをにぎやかにできる。

トーク画面
スタンプももちろん用意

この20種類でも十分に楽しめるとは思うのだけれど、ちょっと注意しておきたいのが、F-05GのLINEアプリからは有料のスタンプを直接購入できないこと。スマートフォンなどの相手から送られてきたメッセージ内のスタンプは、有料のものであっても問題なく受信して表示できるけれど、同じようにF-05Gでも有料の多彩なスタンプを使おうと思ったら、誰かから"プレゼント"してもらうしかない。仲の良い相手におねだりする、というのもアリだろうか!?

有料スタンプは購入できないので、誰かにおねだりする?

ところでF-05Gは、対応する通信方式が3Gのみで、高速通信のLTEやWi-Fiには対応しない、かなり割り切ったフィーチャーフォンらしいフィーチャーフォンだ。とはいっても、最大受信速度14MbpsのFOMAハイスピードに対応しているので、LINEのようなテキストのやりとりが主体となるアプリでは、そのレスポンスに全く不満を感じることはない。音声通話やビデオ通話では若干の遅延を感じることはあるものの、実用できるレベルだ。

SNSや動画サイトもバッチリ。維持費は抑えられる!

中身がAndroidということもあり、搭載しているWebブラウザーもスマートフォン向けとほぼ同等のフルブラウザーとなる。フィーチャーフォンでは、PC向けWebサイトを見ることができるフルブラウザーを搭載する機種もあったけれど、基本的には携帯電話向けに最適化されたコンテンツにアクセスするのが通常で、表現力も情報量もサイト数も、スマートフォン・PC向けのそれと比べて乏しかった。

F-05Gなら、もうそんな状況とはおさらば。見慣れたケータイサイトには逆にアクセスできなくなってしまうが、より表現力の豊かな、スマートフォン・PCサイトと同じ内容の、世界中にあるWebコンテンツを自由に見て回ることができる。スマートフォンユーザーの多くが利用しているFacebook、TwitterといったSNSも使えるし、YouTubeやニコニコ動画といった動画サイトも閲覧可能だ(動画サイトは通信速度の問題からやや重いけれども)。

ニュースサイトを巡回。従来型の操作が可能なケータイモードと、カーソルで操作できるマウスモードの2種類を使い分けられる
Facebookにアクセス
Twitterもバリバリ使える
YouTubeで動画再生
ニコニコ動画も、ちょっと重いけれど楽しめる

LINEもWebも最大限に利用でき、それでいて従来型のフィーチャーフォンに慣れたユーザーも違和感のないテンキー操作で扱えるF-05G。ここまでメリットを挙げてみたわけだけれど、「じゃあ料金は?」というのが気になるところではないだろうか。

※以下、金額はいずれも税込

F-05Gの本体価格は3万6288円(24回分割払い時は1512円/月)で、これに月々サポートを適用すると、他社からのMNP(携帯電話番号持ち運び制度)利用時は実質本体価格が0円となる。新規契約時は1万368円、機種変更時は1万9440円だ。機種変更時だと実質価格が少し高く感じるかもしれないけれど、そもそも本体価格が3万円台なわけで、最新スマートフォンが今や10万円近い値段であることを考えると、かなりリーズナブルな値段設定と言える。

月々の維持費は(本体価格を別で考えると)、音声通話のみを使うのであれば、「タイプシンプル バリュー」で最低100円から。スマートフォンとF-05Gの2台持ちならこういった音声通話のみのプランもアリだが、F-05GのみでLINEやWebも使うことを考えると、現実的には「カケホーダイプラン」で家族とのパケットパックを利用し月々2000円台、というのが最も安価。キャリアの最新スマートフォンより断然導入はしやすい。

「あっちを立てればこっちも立つ」、うれしい状況に!?

中身はスマートフォンと同じAndroidではあるものの、待受やメニュー画面、文字入力の方法など、従来型のフィーチャーフォンからほとんど変わっておらず、"安心感"をもって使い始められるのがF-05Gの一番のメリット。そろそろLINEを使いたいけれど、フィーチャーフォンのままでいたい、という人はもちろん、維持費を見れば、スマートフォンと2台持ちして通話用途に特化して使いたいという人にもF-05Gはぴったりだ。

F-05Gを通話機能に絞って契約し、スマートフォンと2台持ちするのもアリ

使い勝手を重視すれば機能が足りず、機能を重視すれば費用がうんと高くなる、といった「あっちを立てればこっちが立たず」的なアンバランスさがF-05Gの登場によって軽減され、いろいろな選択肢のなかから賢く選んで使い分けることができるようになったのはうれしい限り。"古くて新しいフィーチャーフォン"に乗り換えると得なのか損なのか、あるいは便利なのかそうでないのか、一度じっくり検討してみてはいかがだろう。

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