ARROWS × ケータイ Watch

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大画面、バッテリー、防水……

iPhoneユーザーが感じる「ARROWS NX F-01F」の「うらやましいところ」とは?

まず最初に断わっておくと、筆者はiPhone 3G以来、iPhoneをメインに使っている生粋のiPhoneユーザーだ。Androidスマホも必要に応じて併用しているが、いつも確実に持ち歩くメイン端末はiPhoneだ。

そんなiPhoneユーザーからすると、Androidスマホはさまざまなメーカーがさまざまなモデルを発売していて、うらやましく感じられることも少なくない。とくに富士通製のAndroidスマホは、フルスペック・フル機能に加えて富士通独自の機能も多数搭載し、非常に魅力的に感じられる。

今回はiPhoneユーザーとしての視点から、iPhoneとの違いを踏まえつつ、富士通の最新フラッグシップスマホ「ARROWS NX F-01F」をレビューしていきたい。

iPhoneユーザーは最新Androidスマートフォンをどう見る?

5インチの画面はとにかくデッカイ!

F-01FをiPhoneと比較すると、まず最初に「画面がでかい!」と感じる。スペック的には、iPhone 5/5s/5cは約4.0インチ、F-01Fは約5.0インチなので、iPhoneに比べると、画面の長さ・幅は約25%、面積は約56%ほど大きいことになる。

  

画面の大きさによる情報量や見やすさ、操作のしやすさへの影響は大きい。たとえばWebページや電子書籍などを表示するとき、同じ文字サイズならば情報量は多くなり、同じ情報量ならば文字などは大きくなって見やすく、タップ操作もしやすくなる。

マンガなどの電子書籍を表示すると読みやすさに差が出る。4インチだと小さい読み仮名などはつぶれてしまいがち
画面サイズは操作性にも影響。フルキーボードを表示してみると、画面サイズが大きい方がひとつのキーのサイズが大きくなり、押しやすくなる

ただし、画面が大きいと片手でスマホを操作するとき、指が画面の隅に届きにくくなるというデメリットもある。片手でスマホを使うことが多い人は気になるポイントだ。

F-01Fの場合、片手での操作をサポートするために、一時的に画面の上半分を下にスライドさせる「スライドディスプレイ」という機能を搭載している。画面の上部に操作ボタンがあるアプリも多いが、この機能を使えば、上部の操作ボタンもタップしやすくなるというわけだ。また、文字入力キーパッドも使いやすい大きさに調整できるのも便利だ。

ただ、こうしたサポート機能はあっても、画面が大きくても大丈夫、とは言い切れない。iPhoneに比べると本体の横幅も重さも大きいので、そもそも握りやすさに違いがある。このあたりは手の大きさや利用スタイル次第なので、購入を検討している人は必ず店頭で大きさや使い勝手を確かめるようにしよう。

iPhoneは片手で操作する際にも画面の隅に指が届きやすい
5インチを超えるような大画面スマホは、片手持ちでは画面隅まで指が伸びない
F-01Fは「スライドディスプレイ」キーを押すことで画面上部がスルッと下にスライドするので、どうしても片手操作で画面上部をタッチしたいときには重宝する

高度かつ完成度の高いセキュリティ・プライバシー機能

iPhone 5sは指紋認証センサーを搭載し、ロック解除などに使えるようになった。しかし指紋認証センサー搭載ケータイといえば富士通が元祖だ。富士通はフィーチャーフォン時代から指紋認証センサーをケータイに搭載しているので、ソフトウェア面での応用も含め、非常に完成度が高い。

F-01Fの場合、本体背面に指紋認証センサーが搭載されている。センサー部は押しボタンにもなっていて、1回の短押しでスリープ/解除の操作が行なえる。

F-01Fの指紋認証センサーは、指を軽くスライドさせて指紋を読み取る方式だ。スリープ状態でセンサーを押してロック解除画面を表示させ、それから指をスライドさせて認証する。iPhone 5sの指紋認証センサーは指を軽く置くだけなので、それに比べると若干の慣れが必要ではあるが、パスコード入力などに比べるとはるかに簡単で、iPhone 5s同様、画面を見ないでも解除・認証できる。これで4桁パスコードなどよりはるかに高いセキュリティ性を実現できるのがありがたい。

本体背面に配置される指紋認証センサーは、一見すると使いにくいようにも思えるが、実際には左右のどちらの手で握っても人差し指が届く位置となっている。とくにサイズが大きい端末では上端や側面が押しにくいことがあるので、スリープ/解除と指紋認証がここでできるのは非常に使いやすかったりする。ここは是非とも店頭などで確かめて欲しいポイントだ。

F-01Fの指紋認証センサーは背面にあり、握った際に人差し指が自然に届く位置に装備されている

指紋認証はスリープ解除だけでなく、プライバシーモードの切り替えにも利用できる。このプライバシーモードも、富士通製スマホの大きな特長となっている。

プライバシーモードをオンにすると、保護設定されている連絡先が電話帳に表示されなくなり、その連絡先からの電話の発着信履歴やメールも隠され、さらにその連絡先からの着信も通知されなくなる。特定のアプリをプライバシーモードの対象にすることも可能で、たとえばLINEをプライバシー保護対象にしておけば、プライバシーモード中はLINEの着信もステータスバーや通知パネルに表示されなくなる。特定アプリの起動をロックしたりもできる。

電話帳の項目や写真、アプリなどを非表示にする「プライバシーモード」。指定した連絡先からの発着信や通知も表示されなくなるという念の入れよう

富士通は指紋認証センサー搭載以前からプライバシーモードに力を入れてきているので、その完成度の高さははっきりいって尋常ではない。プライバシーモードの切り替えには都度セキュリティ認証が必要だが、指紋認証が使えるので、安全性と利便性が両方とも確保されている。

iPhoneはもちろん、ほかのメーカーのAndroidスマホも、ほとんどの場合、「ロック解除したら情報は丸見え」という仕様だ。しかしスマホはほかの人に画面を見せる機会も少なくない。友人に地図を見せているとき、知られたくない着信通知が、なんていうこともありかねない。仕事で機密情報を扱うことが多い人や友人関係が若干複雑な人には、富士通製スマホを強くおすすめしたい。

地味ながら使い勝手に響く「ヒューマンセントリックエンジン」

iPhone 5sはモーションセンサー用プロセッサ「M7」を搭載し、モーションセンサーを利用したさまざまな機能が使えるようになった。

しかし指紋認証センサー同様、そこも富士通がすでに通った道だ。F-01Fでは「ヒューマンセントリックエンジン」というシステムを内蔵し、各種センサーを使ったさまざまな応用機能を標準搭載している。

たとえば「持っている間ON」という機能を有効にしておくと、端末の動きを検出したりインカメラで顔認識することで、F-01Fを手に持っているあいだは無操作状態でも画面ロックがかからないようになる。「あわせるローテーション」という機能は、インカメラでの顔認識を使うことで、寝っ転がっているときなどに画面表示の向きが自動回転しないようになる。

インカメラは使用者の顔を認識することで、「実際に端末を持って使っているか」を自動で判断。さまざまな使い勝手の向上を実現している

「らくらくホン」などで培われてきた富士通ならではの音声技術も搭載されている。通話音声をよりはっきり聞こえるように補正する「はっきりボイス4」と「あわせるボイス2」、周囲の騒音に合わせて自分の声や着信音を調整する「スーパーダブルマイク」と「気配り着信」などなど、かなりの充実している。

このほかにもタッチ操作やディスプレイ表示についても使いやすく見やすいように自動補正される。また、歩数計機能はもちろん、睡眠トラッキング機能も標準搭載されている。

他社のスマホでも似た機能はあるが、標準でこれだけの機能を搭載しているのは富士通スマホだけだ。1つ1つの機能を見ると地味だが、それらが大量に搭載され、全体の使い勝手を向上させているのも、富士通製スマホの魅力といえるだろう。

安心の3200mAh大容量バッテリーと省電力設計

スマホユーザーならばバッテリー残量に悩まされた経験は少なからずあるはず。この点もF-01Fは非常に強い。

F-01Fは3200mAhのバッテリーを搭載している。iPhoneはバッテリー容量を公表していないが、だいたい1500mAh相当のバッテリーを搭載しているといわれている。容量だけを見れば、倍以上の差だ。

iPhoneはOSに強い権限を持たせ、アプリのバックグラウンド動作をOSが制御することで電力消費を抑え、バッテリーを持たせるようにしている。しかしそれが効果を発揮するのは主に待受状態のときだ。画面を点灯させてアプリを使っているときは、バッテリー容量とディスプレイの省電力性能がモノを言う。

F-01Fは液晶に「WhiteMagic」ディスプレイというRGBの3画素に加え白の画素を加えた特殊なものを採用している。RGBのようなカラーフィルタを通さず、明るさの欠損がない白画素を組み合わせることで、同じ明るさをより小さい消費電力で実現しているというわけだ。このほかにも前述のヒューマンセントリックエンジンなど、システムやソフトウェア面でも省電力機能を搭載している。

高輝度と省電力を両立するWhiteMagicディスプレイ。ソフトウェア面での省エネとあわせて圧倒的なバッテリー駆動時間を実現

大容量バッテリーと省電力ディスプレイ、各種省電力機能がどのくらいの効果を発揮するか、比較するのはなかなか難しい。

しかし最近、NTTドコモはiPhoneを除く同社のスマホについて、「Web閲覧などを約40分、メールや電話を約20分、ゲームや動画、音楽を約15分、その他(アラームなど)を約5分の1日あたり計約80分間利用」という想定での実使用時間を公開している。

それによると、F-01Fの実使用時間は約97.1時間となっている。昨夏モデルの「F-06E」が約69.4時間だったので、そこからの進化の速さにも驚いてしまう。

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防水やフルセグなど日本仕様はフル搭載!

iPhoneユーザーからすると、Androidスマホの日本独自機能の豊富さは、うらやましく感じられる。とくに富士通製スマホはうらやましい日本仕様が充実している。

まず日本では当たり前の防水仕様だが、これがiPhoneユーザーとしてはうらやましい。使う場所を選ばない防水スマホの安心感は、何にも代えがたいものだ。F-01FはmicroUSB端子もキャップレス防水になっているので、充電時に防水カバーをいちいちを外す必要がないのもありがたい。

充電用の端子がキャップレスで、かつ防水というのは、日常使用でありがたい

テレビ系の機能としては、F-01Fはワンセグだけでなく、フルセグにも対応し、DLNAの連携機能も充実している。富士通は自社内にAV機器部門を持っていないため、他社のAV機器との連携も積極的に動作確認していて、レコーダーの録画番組を視聴したり端末にムーブできる「DTCP-IP」だけでなく、外出先から自宅のレコーダー内の録画番組を視聴できる「DTCP+」にも対応している。iPhoneだとこのあたりの機能を実現するのに別の機器が必要になったりそもそも不可能だったりすることがほとんどで、これもまたうらやましい。

おサイフケータイ機能も便利だ。FeliCaだけでなく、国際規格であるType A/BのNFCにも対応するので、AndroidならではのグローバルなNFCアプリにも対応できる(まだほとんどないけど今後に期待)。

赤外線通信機能も搭載している。しかしあまり使用頻度が高くないので、赤外線通信ポートは防水カバーの下、microSDカードやドコモUIMカードのスロットの隣に配置されている。使うときにカバーを外す必要があるが、このおかげで背面のデザインがスッキリしているのも、よく考えられている。

防水カバーの下に各種カードスロットを装備。microSDカードで容量を拡張できるのもAndroidスマホならではのメリット

iPhoneユーザーにとっての魅力が凝縮されているF-01F

iPhoneユーザーから見ると、Androidスマホは機能やスペックが充実していてうらやましく感じられることが多い。その中でもF-01Fは、5インチフルHDディスプレイや省電力性能などのスペックなだけでなく、防水などの日本仕様、指紋認証センサーなどの富士通独自機能もあり、iPhoneユーザーがうらやましく感じるポイントが凝縮されている。

もしiPhoneからAndroidスマホに移行しようかな、と考えているならば、富士通製スマホは、必ず選択肢に入れておくべきだ。

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