- ビジネスシーンのニーズを捉えて登場したF-04F
- ちょうどいいサイズ感でサクサク動作! しかも防水!!
- スマホの"便利"がより手軽に
- 使いやすくセキュアなExchange連携アプリも利用可能
- 充実のバッテリー持ちで「3日間利用」を実現
- 「使いやすさ」を評価できるビジネススマートフォン
ビジネスシーンのニーズを捉えて登場したF-04F
派手さはないが、スマートフォンがはじめてのユーザーでもすぐに使いこなせ、スマートフォンならではの機能が活用でき、仕事の効率を上げられる--------。
富士通から登場した法人向けのビジネススマートフォン「F-04F」の狙いはまさにそこだ。
見た目は普通のスマートフォンとさほど大きな違いはないが、ビジネス向けにカスタマイズしたホーム画面や、セキュリティと使いやすさを両立した指紋認証機能、優れた省電力性能など、富士通ならではの機能の搭載によって、ビジネスシーンでの使いやすさを徹底的に追求した端末となっている。
現在、外出先で利用する携帯端末の用途は、音声通話だけでなく、メールやインターネット上の各種サービスの利用へと広がりつつあり、ビジネスでもスマートフォンの必要性が高まりつつある。
ほとんどのWebサイトを快適に閲覧できるWebブラウザー。出先でのナビなどに活用できるマップアプリ。PCなどともクラウドで同期できるメールやスケジュール。PDFやOfficeファイルなどの閲覧・編集。必要に応じてテンキーやフルキーを切り替えて利用でき、必要に応じて外付けキーボードも接続できる文字入力。それら多彩な機能により、いまや、スマートフォンさえあれば大半の仕事をこなせるようになっているのだ。
しかし、その一方で、未だにフィーチャーフォンを使い続けるビジネスユーザーが多いのは、スマートフォンを使いこなせるかどうかが不安だったり、音声通話の品質やバッテリーの動作時間に不安があったり、セキュリティをきちんと確保できるかどうかが不安だったりするからに他ならない。
F-04Fは、このようなユーザーがスマートフォン導入に際して障壁となる課題を真正面から捉え、数々の独自機能によって、その「答え」を提案している端末だ。具体的に、どのような特徴を備えているのか、実際の端末を詳しく見ながら、その魅力に迫ってみよう。
ちょうどいいサイズ感でサクサク動作! しかも防水!!
まずは外観だが、実際に手に持つとわかるが、コンパクトで手に馴染むサイズとなっている。
最近のスマートフォンは写真や動画などを大画面で表示するために、大型のディスプレイが採用され、それに伴って本体サイズも大きくなる傾向にあるが、本製品は実用的な4.3インチのディスプレイを搭載し、サイズも高さ約131×幅約65×厚さ約11.0mmとちょうどいいサイズに仕上がっている。
実際に手に持ってみると、本体下部に小指、背面に人差し指を軽く添えつつ、親指の付け根部分と中指や薬指で無理なく本体を包み込むことができ、手に余計な力を一切加えなくて済む点に感心させられた。
画面サイズが適切なため、親指で画面上の必要な場所を無理なくタップすることができるうえ、本体背面の表面加工も滑り止めに大きく貢献しているようで、とにかく手に馴染む印象がある。
電源ボタンや音量ボタン、ホームボタン、カメラ利用時のシャッターボタンなども比較的大きめで、しかも、しっかりと押した感覚があるのもうれしい。どれが何のボタンかがわかりやすく、誤操作をしにくい。配置場所も自然で、最小限の動作で指が届く場所にボタンがある。こういった、地味だがユーザーにとってとても大切な部分に妥協が見えないのは、さすがスマートフォンの使いやすさを追求してきた富士通だと言えるだろう。
ビジネスシーンでは、一日に何度も端末を手に取り、電話をかけたり、メールを確認するという作業が要求されるが、こうした日常シーンで、まったく疲れやストレスを感じさせないのは、F-04Fならではの大きなメリットと言えそうだ。
実際に電源を入れ、画面に触れてみた印象も良好だ。Android 4.2と1.7GHzのQuad Core CPUというスペックは、画面操作で一切のストレスを感じさせないサクサク感をしっかりと備えている。
ビジネス向けで外見は地味であるものの、その中身はしっかりと最新のスマートフォンとなっており、Webブラウジングなどにもストレスを感じさせない高性能機だ。
このほか、安心の防水性能IPX5/8、防塵性能IP5X設計も見逃せないポイントだ。防水性能IPX8は、常温で水道水の水深1.5mの水槽に携帯電話を沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能を有するための基準となるため、激しい雨や雪などの天候下でも安心して利用することができる。また、防塵性能IP5Xは、直径75μm以下の塵が入った装置に電話機を8時間入れて、取り出したときに通信機器の機能を有するための基準となるため、工事現場などでの利用も心配ない。
一口にビジネスと言っても、いろいろな環境に対応できるのもF-04Fの魅力の1つと言えそうだ。
スマホの"便利"がより手軽に
実際の利用シーンでは、フィーチャーフォンに慣れたユーザーでも、スマートフォンならではの利便性を無理なく体験できるのが好印象だ。
F-04Fは、操作の起点となるホーム画面のアプリとして、フィーチャーフォン同様の使用感を実現した「テレフォンホーム」が採用されている。これは、シンプルな四角いタイル状のアイコンが並んだホーム画面で、電話やメール、電話帳といったビジネスシーンでよく使う機能が大きく表示されているほか、左右スワイプ操作で着信履歴や発信履歴にアクセスできるフィーチャーフォンライクな操作感が特徴だ。
もちろん、アプリを起動するためのアイコンやウィジェットが並んだ通常のホーム画面を利用することもできるが、「テレフォンホーム」を利用することで、フィーチャーフォンになれたユーザーでも電話とメールの機能を迷わず使うことができるうえ、既にスマートフォンを使ったことがあるユーザーでも少ない手数で電話やメールの機能を利用することができるようになる。
アイコンに表示された数字から電話の着信や未読メールの件数をひと目で確認したり、ホーム画面を左右にスワイプすることで着信履歴や発信履歴を確認でき、急いで連絡をしたいときの電話、手が離せなくて応答できなかった着信への折り返し、大切なメールのチェックなど、急いでいるときの操作を、より少ない手数で、確実に実行できる。メインの用途は電話とメールという人にこそ使って欲しい機能だ。
特に、ビジネスの現場ではプライベート以上に「通話」を用いる頻度が高い。F-04Fはそういったニーズに合わせて、通話周りの機能が非常に充実している。
まず、「音声通話を聞き取りやすく」する工夫が多いのが特長。相手の声を聞き取りやすく調整する「はっきりボイス」、あらかじめ登録してあるユーザーの年齢に合わせた音質に調整する「あわせるボイス」、相手の声をゆっくりとした速度に調整する「ゆっくりボイス」が搭載され、それぞれ任意にON/OFFできる。
また、ビジネスケータイF-10Bで好評の、通話を録音できる「通話メモ」機能も搭載。通話中に任意に録音開始/停止できるほか、通話開始時に自動で録音を開始する設定も可能。電話での打ち合わせの内容をあとで再確認――というときにも便利だ。本体メモリ容量に空きがある限り、録音時間が無制限なのもうれしい。
また、とにかく「操作に迷う」時間が激減するのもF-04Fの特徴だ。最近のスマートフォンは多機能な反面、使いたい機能を選ぶ際に迷いがちだが、F-04Fのユーザーインターフェイスならそんな心配もない。テレフォンホームはもちろんのこと、「MENU」ボタンをタップして表示されるアプリメニューは非常にシンプルなものとなっており、「インターネット」や「カメラ」、「地図」など、よく使う機能を大きなアイコンから簡単に選べるようになっている。
そもそも、ビジネスに不要な余計なアプリが搭載されていないこともシンプルな操作性に貢献しているが、はじめてスマートフォンを使うユーザーでも迷わず、使いたい機能にサッとたどり着ける点に、感心してしまった。
これなら、Webブラウザを使ってWebページから情報を収集する、地図アプリを使って行き先を調べる、といったスマートフォンならではの機能をフィーチャーフォンユーザーでも違和感なく使いこなせそうだ。
使いやすくセキュアなExchange連携アプリも利用可能
普段の業務への活用もすぐにできる。F-04Fには、簡単な操作で使える「オフィスシンク」と呼ばれるExchangeサーバーとの連携アプリが無償で提供されている。普段、パソコンのOutlookで利用しているExchangeサーバーのメールやアドレス帳、予定表を外出先でもそのまま参照することができる。操作感はスマートフォンならではと言える快適さだ。
オフィスシンクは、標準ではF-04Fにインストールされていないが、以下の方法でインストールすることが可能だ。
1. ダウンロード
F-04FはGooglePlayに対応していないため、まずはパソコンを利用して富士通のWebページからダウンロードする。
2. APKファイルをF-04Fに転送
ダウンロードしたオフィスシンクのファイルはapkという拡張子になっている。これをメールの添付ファイルとしてF-04Fに送信するか、USB接続やmicroSD経由でF-04Fにコピーする。
3. インストール
メールの場合は添付ファイルにタッチすることで、USB接続やmicroSD経由の場合はファイル管理アプリの「KSfilemanager」を使って起動することで、アプリをインストールする。なお、初期設定では「提供元不明のアプリ」のインストールが禁止されているので、インストール時に警告が表示される。メッセージに従ってインストールを許可する必要がある。
4. 初期設定
アプリを起動すると初期設定画面が表示される。普段利用しているメールアドレスとパスワード、そしてExchangeサーバーのサーバー名を設定すれば、設定が完了し、メールや予定表を参照できるようになる。
Exchangeサーバにアクセスできるアプリは他にも存在するが、オフィスシンクが優れているのは、画面がシンプルで操作がわかりやすいこと、そして何よりセキュリティが強固な点だ。
起動時に指紋認証(詳しくは後述)やロックパターンでロックを解除しないと起動させることができないうえ、アプリの起動中は「音量Down+電源キー」や「スライドイン機能のキャプメモ」によるスクリーンショットも禁止される。また、30日間利用がない場合に自動的にアプリ内のデータを消去することができたり、端末にデータを残さないオフラインモードで動作させることもできる。Exchange標準のローカルワイプ機能にも対応している。
これにより、第三者に勝手にアプリを使われたり、大切なデータを盗まれることを禁止できるわけだ。
社内に設置されたExchangeサーバーはもちろんのこと、メーカーの動作保証外とはなるが、筆者環境ではマイクロソフトが提供しているOffice 365でも利用できた。Exchangeとスマートフォンを手軽に連携させるソリューションとして小規模なオフィスでも導入しやすいだろう。
充実のバッテリー持ちで「3日間利用」を実現
フィーチャーフォンからスマートフォンに移行する際に気になるポイントのひとつが「電池の持ち」だろう。フィーチャーフォンでは1日中使ってもバッテリーを心配する必要はなかったが、スマートフォンはバッテリーが持たない、というのはよく言われる部分だ。
しかしF-04Fでは、取り外し可能な2500mAhの大容量バッテリーと省電力性に優れた「WhiteMagic」ディスプレイを搭載しており、長時間の利用にも十分に対応できるように設計されている。公称の「実使用時間」は97.8時間で、実際の使用可能時間は使い方にもよるが、通話やメールを主体とした一般的な利用シーンであれば、3日間の利用も可能な電池の持ちを実現している。
実際、充電した端末を朝から持ち歩いてメールの返信や打ち合わせの電話連絡などに使ってみたが、帰宅時の夜になっても、まだ50%ほどバッテリー容量が残っており、そのまま充電せずに翌朝まで放置してみたが、それでもバッテリー残量は30%ほど残っていた。
これなら、うっかり充電を忘れた・・・・・・。という場合でも安心だ。「スマートフォン=電池が持たない」という先入観は、少なくともF-04Fでは捨てた方がいいだろう。
また、実際に外出先で使ってみて感心したのは、ディスプレイの見やすさと音声の聞き取りやすさだ。屋外など、明るい場所ではディスプレイが見えにくくなることがあるうえ、人混みの中で通話すると音声が聞き取りにくいことがよくある。
スマートフォンに限らず、外出先で利用する端末にとってこういった環境が逆境にあたるが、晴天の屋外でも画面を見やすい「WhiteMagic」ディスプレイと、周囲の騒音を検知して自分も聞き取りやすい音声に自動で調整する「スーパーはっきりボイス4」を搭載したF-04Fでは、こういった環境でも不便を感じることがかなった。まさに、実用性を考慮して設計されたスマートフォンと言えるだろう。
このほか、セキュリティ面の考慮もきちんとなされている。仕事のメールや業務データなど、スマートフォンは便利な一方で、外部に漏れると困る重要なデータがたくさん保存されているが、F-04Fでは本体背面にスマート指紋センサーを搭載。利用者の指紋を使ってロック画面を解除したり、各種パスワード入力の代わりに指紋認証を利用することができる。また、本体に装着したmicroSDカードは暗号化が可能なので、microSDカードだけを紛失しても、簡単に中身を見られる心配は少ない。
安心して使えるのはもちろんだが、何より、ロック解除やパスワード入力のときに、指紋をサッと読み込ませるだけで済む手軽さがありがたい。高いレベルのセキュリティを確保しつつ、利便性を損なわないどころか、むしろ手軽になるのは、大きな魅力だ。
「使いやすさ」を評価できるビジネススマートフォン
以上、富士通から登場したビジネススマートフォン「F-04F」を実際に使ってみたが、とにかく仕事に欠かせない電話とメールをストレスなく使えるのが印象的な端末だ。
最近では、ビジネスマンならずとも、仕事とプライベート用にスマートフォンを複数台持ち歩く人が珍しくないが、そういったケースでも、電話とメール用にF-04Fを使いたいと感じさせるほど完成度の高い端末に仕上がっている。
通話音声を自動的に録音できるなど、日常の利用シーンであってよかったと思える細かな機能も搭載されており、あらゆる面で利用者をサポートしてくれる端末となっている。
今後、社用の端末をフィーチャーフォンからスマートフォンに変更しようと計画している企業も少なくないと思われるが、利用者の利便性を考えても、その最有力候補となる端末と言えるだろう。
(清水理史)