|
今回新たに誕生したAP-U70とDP-U50は、USBインターフェースでPCと接続できるマルチメディア・オーディオ・システムだ。これにより、PCを利用した音楽CDの再生や、MP3など圧縮オーディオの再生を良質なサウンドで楽しめるのはもちろんのこと、従来のPCサウンドとは次元の異なる音響空間をデスクトップで実現することが可能になる。
先進のオーディオ・システムとして、さまざまな機能を装備するAP-U70/DP-U50だが、なんといっても最大の特長は、サラウンド・サウンドを二つのスピーカーでバーチャルに実現することだろう。現在、DTSやドルビー・デジタルによる5.1chのサラウンド・サウンドに対応したDVD-Video作品が数多く登場している。これらをPCで鑑賞する際、二つのスピーカー、もしくは重低音を出すサブウーファーを加えた三つのスピーカーだけで、立体的な音響をシミュレートしてくれるのだ。 実際に、これらのDVD-Video作品をPCで再生させ、AP-U70を通じて前面に配置された左右のスピーカーから音を出してみると、なんと後ろからも音が聞こえてくる。背後から忍び寄る足音、真横からの銃声、そしてもちろん正面からの話し声など、まさに劇場的と言えるリアルな音響空間が体感できるのだ。従来のRP-U100でもドルビー・デジタルおよびドルビー・プロロジックでは、同様の機能を実現していたが、このAP-U70/DP-U50では新たにDTSにも対応。より高品位なデジタル・サラウンド環境が得られるようになっている。 さらに、ヤマハ独自の「シネマDSP」というサラウンド技術を、2本のスピーカーで実現する「ニアフィールド・シネマDSP」機能を搭載。通常のステレオでもHALL、CHURCH、JAZZなどの音場が楽しめるほか、GAME、MOVIE、VIRTUAL SURROUND……といったDVD再生時に威力を発揮するプログラムも用意されている。また、「サイレントシアター」という機能により、ヘッドホンでサラウンド環境の再現ができる点も見逃せないポイントだろう。バーチャルリアスピーカーの位置調整や、DSPのモード、音質・音量調整は、PC側から設定できるのはもちろん、添付のワイヤレスリモコンでも操作可能。使いやすさにも気を配った設計になっている。 |
||||||||||||||
|
|
前機種であるRP-U100で、ドルビー・デジタル作品をPCから再生させる場合には、S/P
DIFという光デジタルまたは同軸デジタル端子を通じて信号を入力する必要があった。しかし、AP-U70/DP-U50ではその必要はなくなり、すべてUSB端子のみで接続OKとなった(DTSデコード再生はS/P
DIF経由でのみ行なえる)。これなら誰でも手軽に利用できるし、PC側に特別な装置を取り付ける必要もない。 このUSB経由で通るサウンドは通常のステレオ2chと、DTS、ドルビー・デジタルなどの5.1chに加え、4chのサウンドにも対応。DirectSound3Dに対応したゲームタイトルなら、4chのサラウンドで再生できる。さらに、ここで利用できるサウンドフォーマットも多彩になっており、一般的な44.1kHz/16bitのサウンドだけでなく、最高で48kHz/24bitというハイクオリティのサウンドにも対応している。まだ24bitに対応した作品は少ないのが現状だが、このスペックがあれば次世代オーディオ作品にも十分に対応できるだろう。 また、AP-U70/DP-U50で注目したいのが、USBに限らず入出力端子を数多く装備し、さまざまな外部機器との組み合わせが可能になっている点だ。アナログ入力としてPC、AUX1、AUX2の3系統。また、デジタル入力も光角×2、同軸×1が装備されている。さらに出力のほうは、アナログのRECアウトおよび光角端子が1系統装備されているといった具合だ。ちなみに、AP-U70とDP-U50の違いは、アナログ出力にスピーカーアウトがあるか否か。内部に20W+20Wのアンプを内蔵して直接スピーカーに接続できるのがAP-U70で、外部のアンプに接続するかアンプ内蔵スピーカーに接続するのがDP-U50となっている。 そして、非常にユニークなのが、前述のバーチャル・サラウンドの処理を施したサウンドをアナログおよびデジタル出力端子を通じて外部のMDレコーダーなどへ録音できるという点。DSP効果を施したサウンドをMDなどに録音すれば、AP-U70/DP-U50のない環境でも同様のバーチャル・サラウンド・サウンドが楽しめる。また、外部接続のオーディオ機器だけでなく、AP-U70/DP-U50でDSP効果をかけたサウンドを再度USB経由でPCへ取り込むことも可能。もちろん、これらの処理を施さずに、外部のデジタルオーディオ機器からデジタルデータを音質劣化なしにPCへ取り込むこともできる。 先進のサウンド機能と柔軟性を兼ね備えるマルチメディア・アンプAP-U70、そしてマルチメディア・サウンド・プロセッサDP-U50。これらがあれば、PCを高品質かつ立体的なサウンドを創り出す、ハイエンドAVマシンへと変身させることが可能だ。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
システム構築図
背面インターフェース(AP-U70)
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
|
問い合わせ先:03-5488-5500 |
URL:http://www.yamaha.co.jp/audio/soundstation/ |